ASML第3四半期決算 14日発表 市場の注目点と背景を整理

オランダの半導体製造装置大手ASMLが10月14日に2026年度第3四半期決算を発表する。市場の関心は売上高そのものよりも、EUV(極端紫外線)露光装置の新規受注と2027年以降の生産・業績見通しに集まっている。4〜6月期決算時に通期見通しは上方修正済みで強気予想が伝えられる一方、株価が年初来の高値圏にあるため警戒感も観測されている。
何が起きているのか
ASMLは半導体製造の中核装置である露光装置の世界的サプライヤーで、14日に第3四半期決算を発表する予定だ。海外メディアは、市場が売上高よりもEUV露光装置の新規受注、および2027年の生産・業績見通しに注目していると伝えている。
決算発表は米国の9月消費者物価指数(CPI)が公表される同日に重なり、翌15日には台湾のTSMCが決算を発表する。海外半導体大手の決算が連続する週となっており、半導体株の反発を占う週の試金石と位置づける見方がある。
これまでの経緯

ASMLは7月に発表した第2四半期(4〜6月期)決算で業績が堅調だったとロイターが報じ、通年予測も上方修正された。当該期の純利益は前年同期比27%増とされた。
通期の売上高ガイダンスは430億ユーロから450億ユーロに引き上げられたと投資情報サイトが伝えている。第3四半期の売上高は110億ユーロから120億ユーロ、粗利益率は55%から57%と予想されている。
AI半導体需要の拡大を背景に、EUV露光装置やArF液浸露光装置の需要増加が続いているとの分析が出ていた。一方、中国はASMLの純システム売上高の19%を占めており、輸出管理の動向は継続的な経営リスクとして注目されてきた。
今回の決算の見どころ
決算を前に、市場関係者が注目しているポイントは整理できる。
- EUV露光装置の新規受注の動向。AI投資の熱さが装置需要としてどう表れているか
- 2027年の生産・業績見通し。投資情報サイトは売上高が前年同期比55%増の可能性があると伝え、ウォール街では株価が最大2,866ドルと予想されている
- 次世代装置のHigh-NA EUVの展開。2024〜2025年にIntel、TSMC、Samsungへの初号機が納入されており、導入時期をめぐる動きが継続的に報じられている
- Low-NA EUV装置の生産能力。ロイターによると2026年の約65台から2027年には約30%増加する見通しで、2028年にはさらに30%の増加が検討されているという
市場の反応と背景にある警戒感
決算を控えた14日のアジア株は、韓国市場が反発したものの上値が重く、ASMLの決算を前に警戒感が広がったと報じられた。市場では強気の予想が伝えられており、米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)はASMLをトップ銘柄に維持し、価格決定力が収益を押し上げるとの見方を示している。
ただ、投資情報サイトは、4〜6月期決算時に通期の売上高・粗利益率見通しがすでに上方修正されており、ネガティブな決算は想定しにくい一方、株価が年初来の高値圏にあることを指摘する。好業績が織り込み済みの状況では、予想を大きく上回る内容でないと株価の反応は限られるという構図が意識されている。
経営体制と技術の位置づけ
ASMLの最高経営責任者(CEO)はChristophe Fouquet氏で、2008年に同社に入社し、2024年4月からCEOを務めていると複数の情報源が伝えている。同氏はEUV技術部門を率い、チーフビジネスオフィサーを務めるなど同社の事業戦略を担ってきた人物だ。
技術面では、High-NA EUV露光装置はASMLが開発するEXE:5000シリーズが唯一の商業装置とされ、2026年4月の第1四半期決算時点で世界のHigh-NA EUVシステムによる累積ウェハ処理枚数は50万枚を超え、稼働率は80%を上回っていたと伝えられている。
今後の展望・影響
第3四半期決算の内容は、AI減速論や中国勢の追い上げといった懸念を払拭できるかが焦点とされる。2027年以降の成長を示す数値が提示されるかどうかが、株価の次の足場を左右する材料になりそうだ。
日本市場にとっても、ASMLは日本での先端半導体工場への支援強化を打ち出しており、TSMCやサムスンが次世代EUVの導入時期を表明するなど、装置メーカーの動向が半導体サプライチェーン全体の先行指標として注目され続けている。
よくある質問
ASMLの第3四半期決算はいつ発表されますか。
10月14日に発表が予定されている。同日は米9月CPIの公表日でもあり、翌15日にはTSMCの決算が控えている。
市場が最も注目している数字は何ですか。
売上高よりも、EUV露光装置の新規受注と2027年の生産・業績見通しだと海外メディアは伝えている。第3四半期の売上高は11億ユーロから12億ユーロ、粗利益率は55%から57%と予想されている。
ASMLの通期見通しはどうなっていますか。
第2四半期決算時に通期売上高ガイダンスは43億ユーロから45億ユーロに上方修正されたと投資情報サイトが伝えている。ただ、株価が高値圏にあるため、決算内容への警戒感も報じられている。
まとめ
ASMLの第3四半期決算は、AI投資の勢いと半導体装置需要の先行きを占う一週間の中核イベントだ。受注と2027年見通しの中身を注視しながら、決算後の市場の評価と、続くTSMC決算との相関もあわせて確認してみてほしい。
参考にした報道
- アジア株 韓国反発も上値重い、蘭ASML決算控え警戒感 市場は強気予想(みんかぶ FX/為替・10月14日)
- ASMLホールディング【ASML】:株価・株式情報(Yahoo!ファイナンス・10月14日)
- ASML、AI投資熱の中で第3四半期の受注・見通しに市場が注目(BigGo ファイナンス・10月12日)
- ASML第3四半期決算プレビュー:世界の半導体サイクルを書き換えられるか?(Moomoo・10月13日)
この記事の事実関係は、上記の報道と照らし合わせて確認しています。最新の情報は各報道機関の発表をご確認ください。