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ナガエツルノゲイトウとは 大分・岡山で拡大懸念 南米原産の侵略植物

ナガエツルノゲイトウとは 大分・岡山で拡大懸念 最悪の侵略植物の防除

南米原産の水草「ナガエツルノゲイトウ」が、大分県豊後高田市のため池や岡山県内で次々と見つかり、自治体や地元高校生による防除作業が相次いでいる。環境省は外来生物法に基づく特定外来生物に指定。駆除しきれず全国へ広がれば在来の生態系に深刻な影響が出るとされ、早期発見と除去が急務だ。すでに西日本を中心に複数県で定着が報告されており、今回の新たな発生例は「北限が動いている」との警戒感を高めている。

侵略性の高い水草、その正体は

ナガエツルノゲイトウは、南米原産のヒユ科の多年草で、侵略性の高い水草として知られている。茎は節ごとに根を出しながら伸び、水中では水底を這い、水面に達すると葉を広げて花を咲かせる。成長期には茎の伸長が速いとされ、適した環境では群落を形成して水面を覆いつくすとみられる。

繁殖は主に茎の断片から行われ、数センチの茎片が流れ着けばそこから新たに定着する。ため池や水田、河川の浅瀬、水路など、静かな水辺ならどこでも生育可能で、水草群落を一種類だけにする「単優占」の力を持つ。在来の水草や付着藻類を抑え込み、それに依存する水生昆虫や魚類、水鳥の餌環境まで変えてしまう。

日本への侵入経緯の詳細は不明だが、観賞用や水景用に持ち込まれたものが水域へ流出し、野外定着の起点になったとみられる。一度庭池や水田に入ると完全に駆除するのが極めて困難で、報道では「地球上最悪」の雑草とも形容される。環境省は、他の生態系に被害を与えるおそれがあるとして特定外来生物に指定しており、国の「日本の侵略的外来種ワースト100」にも挙げられている。

指定以降、飼養や運搬、栽培、譲渡が原則禁止され、無許可の行為には罰則が科されうる。ただし既に野外に定着した個体群への対応は、特定外来生物被害防止計画に基づく自治体や地域住民の除去活動に依存する部分が大きく、拡大阻止が課題となっている。

大分・豊後高田のため池でも確認 地元に広がる危機感

ナガエツルノゲイトウとは 大分・岡山で拡大懸念 最悪の侵略植物の防除 イメージ

読売新聞オンラインは2026年10月1日、「地球上最悪」の雑草か、豊後高田市内のため池にも発生したと報じた。大分新聞も9月29日、ナガエツルノゲイトウらしき植物が市内のため池で見つかり、拡大を防ぐ必要があると伝え、県が現地調査に入ったとしている。県は職員と植物の専門家を現地に送り、範囲の把握と生体の採取・同定を進めており、確認されれば県内初の定着例となる可能性がある。

地元では「影響が広がる前に手を打ってほしい」との声が上がっており、県と市が実態の確認と駆除の方向性を検討するとみられる。ため池は農業用水や生態系の拠点でもあり、定着すれば周辺の水路や河川、他のため池への拡散ルートになる可能性が指摘されている。特にこの時期は稲刈りや冬の水利整備で人や機械が水域周辺を動く時期でもあり、茎片の付着による二次拡散への注意が求められる。

大分県内での確認例が増えるなか、県は農地や水田での対策についても情報を発信しており、早期に気づいた場合の通報窓口の活用を呼びかけている。目視での識別が難しいこともあり、専門家による同定を経た上での対応が求められる。

岡山で高校生も参加した防除作業と啓発の動き

岡山県内でも対応が本格化している。2026年10月1日の報道では、矢掛町で地元の高校生が特定外来生物のナガエツルノゲイトウの駆除に参加したと伝えられた。作業では長靴と手袋を着用した学生らが、茎を水中から丁寧に抜き取り、ビニール袋に密封したうえで乾燥後に適切に処分したという。残した断片から再生するため、抜取り後の反復点検が欠かせない作業となる。若い世代が実際に除去作業に触れることで、地域への定着防止意識を高める狙いがあるとみられる。

岡山市は9月30日、ナガエツルノゲイトウの早期発見を目的に啓発チラシで周知を進めると発表した。チラシには、節ごとに根を出す茎の特徴やミズオオバコなどの在来種との見分け方、見つけた際の連絡先などが記載されるという。水生植物の同定は素人には難しく、誤って在来種を駆除する「過剰防除」を招かないための図解にも力が入れられている。市民一人ひとりが「発見者」となる仕組みづくりが、拡大防止の鍵を握る。

これらの活動は、市町村ごとにバラバラだった対応を地域全体で張り巡らせる意味を持つ。防除作業の担い手不足が各地で課題となるなか、高校生や地域団体の参画は持続可能な体制づくりの試金石になると考えられている。

見どころ・ポイント 知っておきたい4つの事実

今回の一連の報道とこれまでの動向を整理すると、以下のポイントが浮かび上がる。

  • 環境省はナガエツルノゲイトウを特定外来生物に指定し、飼育や運搬などを原則禁止。無許可の譲渡や放出には罰則が適用される
  • 大分県豊後高田市内のため池で新たな発生が疑われ、県が現地調査を実施。地元から早期対策を求める声が上がっている
  • 岡山県矢掛町では高校生が駆除作業に参加し、岡山市は啓発チラシで早期発見の周知を進めている
  • 福井などで行われた研究では、茎の伸長に伴う光合成能力の高さが確認され、弱点を突いた防除法への期待が示されている

なかでも注目は、防除の科学的裏付けを探る動きだ。9月29日付の報道によると、ナガエツルノゲイトウの茎が水面を伸びる際に高い光合成能力を発揮することが、福井などでの調査で確認された。水中でこそ勢いを見せるこの植物の、水面到達前後の生理特性に注目が集まっている。この特性を逆手に取った駆除方法の確立が期待されている。

研究の進展が示す防除の展望

従来の除去作業は、手作業での引き抜きや、遮光シートによる枯死待ちなど、労力を要する方法が中心だった。残った断片から再生する性質があり、一度の作業で根絶できるケースは少ないとされる。また水域への薬剤使用は環境負荷や水道水源・漁業への影響で制約があり、選択肢が限られるのが実情だ。

光合成の特性を明らかにした研究は、生育の弱点を突いた的を絞った防除につながる可能性がある。水面に近づくほど光合成を活発化させるのであれば、遮光と水位調整を組み合わせた管理や、成長初期に集中的に資源を絞る時期の特定といった実務的な駆除手法の開発が期待される。福井県などで確認された知見がどう現場に還元されるかが注目される。環境省関連の講演会「サイエンスレクチャー2026」でも、驚異の繁殖力と日本侵入の経緯がテーマに取り上げられ、市民への理解促進が図られている。

今後は、研究機関と自治体、住民が連携し、発生箇所の共有と早期駆除を迅速に回せる体制が求められる。ため池や水路の管理者、農業委員会、学校などが情報を一元化し、発見から初動対応までの時間を短縮することが、拡大の歯止めになる。大分と岡山での動きを契機に、全国のため池や水路での点検が広がるかどうかが、定着阻止の分かれ目になるとみられる。

よくある質問

Q. ナガエツルノゲイトウを見つけたらどうすればよいですか。

自治体や環境省の窓口へ連絡し、指示を受けるのが原則です。特定外来生物のため、勝手に持ち帰ったり他の水域へ移したりすると法的な問題が生じる可能性があります。場所と状態を写真に撮っておくと対応がスムーズです。

Q. 個人で駆除してもよいのですか。

許可なく捕獲・運搬・譲渡することは禁じられています。自治体が実施する防除作業に参加する形で協力するのが安全です。岡山県矢掛町のように高校生や地域住民が作業に参加する例も出ています。

Q. 在来の水草と見分けるコツはありますか。

節ごとに根を出す長い茎が水中を這い、茎は内部が空洞で、楕円形の葉が節から対になってつくのが特徴です。ただしミズオオバコなどの在来種と紛らわしいため、断定は専門家に委ねるのが得策です。

Q. なぜ「地球上最悪」とも形容されるのですか。

水中でも水上でも急速に増え、ため池や水田、浅い水域を群落で覆いつくす性質があるためです。駆除が非常に困難で、在来の水草や生態系を押し出し、農業用水路の詰まりなどの被害も生じうるとされています。

まとめ

ナガエツルノゲイトウの拡大は、単なる雑草問題ではない。ため池や水田、地域の水環境を守るかどうかを分ける、自治体と住民が一体となって立ち向かう課題だ。繁殖力の高さと駆除の難しさを抱えたこの植物に、科学的な知見と地域の目を組み合わせた長期的な対策しかない。大分・岡山での防除と啓発の動きを追いながら、あなたの町の水路やため池にも目を向けてみてほしい。小さな発見が、大きな被害の阻止につながる。

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アイトレンド編集部

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